会報(ニュースレター)一覧

カラフルライフ Vol.42 (2009年2月号)

目次
  • 田中康雄先生のドクターのつぶやき
  • 子どもを思う気持ちと技術(20個の取り組み)
  • るるこのまーいっか・・・
  • 品川裕香さんの子ども支援最前線
  • 講演会情報
  • えじそんママのHappy子育て
  • えじそんくらぶの会・お知らせ
  • ズレちゃんの今日も元気
CHANGE

黒人大統領がついに誕生しました。アメリカにとって大きなCHANGEだと思います。約10年前、私は多くの移民が共存する首都ワシントンDCにある大学院で学生生活をはじめました。クラスにはいろいろな人がいました。ドイツ系、ユダヤ系、パレスチナ難民、祖父が奴隷だったという人、叔母が南京大虐殺を体験した中国人、フィリピンで日本に爆撃を受けた人・・・でもみんな、教育学を学ぶという共通点がありました。

その中で、スピーチの担う役割は大きく、多様な価値観のある人をまとめていくためには「印象的なスピーチ、印象的なプレゼン」が重要なのです。ですから教育もそれを反映して、SHOW&TELLというプレゼンの練習はプレスクールからあり、高校や大学にもスピーチの授業があり、大学院では大統領のスピーチライターが教鞭を取ります。(ちなみにオバマ氏には27歳のライターがいるそうです)私はとても多弁な子で日本の教育では「おしゃべりはいけないこと」と教え込まれましたが、大学院の「自由に発言していい」という環境でスピーチ力が上がったように思います。

もう一つ、自分の欠点と思っていたことがあります。それは私の「批判的な考え方と表現」です。和を大切にする日本では議論がしにくいといわれていますが、特に日本女性の特性としては好まれません。クリティカルシンキングとは批判的にデーターや論文をよみ、分析し、論理の矛盾を見つけるというものです。最近日本でも大学(院)レベルではこのクリティカルシンキングやディスカッションが重要になりました。アメリカではスピーチと同様、小学校からトレーニングします。その訓練を受けていない日本人は、急にゼミでやれといわれても難しいと思う人もいるでしょう。学生と教授が対等に話をする雰囲気がないところもあるかもしれません。アメリカでも、年下の学生と議論を楽しんでくれる余裕のある教授がいる一方で、東洋人女性に論破されたくないという教授もいました。ここら辺は、やはり文化や人種ではなくその人の人間性なのでしょう。

再度大学院生になって約1年になります。北大の室橋ゼミはこのクリティカルシンキングとディスカションができるとても知的な空間です。専門外の研究も多く、始めは脳科学のことはあまりよくわかりませんでした。しかし扱う専門分野が幅広いため、逆に初歩的な質問が自由にできる雰囲気があるのも救いでした。私は作業記憶などが生まれつき弱い上に老化というダブルパンチで情けない思いをすることも多いのですが、このゼミの議論に積極的に参加することで、論理的思考はこれからも磨かれるのではと私の脳のCHANGEも期待しています。

脳科学といえば、NHKで脳の個人差に関する番組がありました。女性は地図の読めない人が多い、ウツになりやすいということが一般的に言われていますが、最近は、やはり男女で脳に違いがあることや、ストレスの仕組みも研究されています。ここ10年間で脳科学の進歩は目覚しいのもがあります。造影剤やX 線が不要で、体に負担がかかりにくいMRIが開発されたことが大きいでしょう。昨年、竹田先生とともに、そのMRIの発明者がいるアメリカのメディカルセンターを見学しましたが、番組を見ながらそこでADHDの脳研究をしている研究者と話したことを思い出しました。

脳の違いから学習の個人差をみるというアプローチもあるとビジネス系の月刊誌に掲載されていました。しかしMRIの検査は保険適応でも2万円くらいかかり、「ちょっと自分の脳を見たいんですが、」とはいえません。脳科学関係の本も今や、たくさん出ていますが、やはり「個人の悩み・ストレス」というのは、単純に「脳科学的、生物学的な違い」だけで解決しません。やはり重要なのはICFなのです。「違い」を本人と周囲がどう受け止めるか、その環境が人の参加や活動に影響し、ストレス・不安を作るのです。人種の違いも障害の有無も結局「違いをどう理解し受け止めるか」、つまり価値観をCHANGEすることと大きな関係があるのでしょう。今年もちょっとした皆様の変化の機会になるようストレスマネジメントなるべく多くの場所で提供したいと思います。(高山恵子)

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