会報(ニュースレター)一覧

カラフルライフ Vol. 41 (2008年12月号)

目次
  • 田中康雄先生のドクターのつぶやき
  • るるこのまーいっか・・・
  • 子どもを思う気持ちと技術(20個の取り組み)
  • えじそんママのHappy子育て
  • 品川裕香さんの子ども支援最前線
  • 講演会情報
  • イメージ通りに「大きなシャボン玉」
  • えじそんくらぶの会・お知らせ
  • ズレちゃんの今日も元気

ペアトレからスタートした親支援講座ですが、最近はストレスマネジメントを重視したプログラムを積極的に各地で提供しています。その過程で、親御さんの子どもへの思いの深さ、そして診断名を言い渡された時のショックの計り知れない大きさなどを、再度痛感しています。一方で、診断名がついてストレスが極端に減った人もいるのです。この違いは何から来るのか、とても興味のあるところです。

私の場合は、「ADHDサクセスストリー」を読み、かなりポジティブなイメージをADHDに対して持っていたことがまずキーポイントだったと思います。さらにアメリカという個性を重要視する=違っていることはいいことという=環境にいたことで「人と違う自分を必要以上にマイナスに感じなかった」こと、 ADHDの最先端の具体的な対策法などの情報を持っていたこと、CHADDで同じ悩みを持つ人との出会いがあったこと、優秀で有名なドクターや研究者が ADHDと自己開示していたことなど、ラッキーな条件が偶然重なっていました。

1月15日は京都市発達障害者支援センター「かがやき」主催(センター長・児童精神科医師:門眞一郎氏)の講演会がありました。田中康雄先生とご一緒でしたので、たくさんの参加者がありました。

この時は、門先生から「当事者として話していい」といわれたので、とても気が楽でした。サブタイトルから当事者としてと入っているときは、「自己開示していい」と許可が正式に出ている感じがして、自分のことを話しやすいのです。ですからはじめから私は「当事者モード」に入っていたように思います。講演会の楽屋でも、大学や就職先でも大変だったこと=自分に合わない化学分析の仕事を1年でやめました、毎週土曜日は疲れて起き上がれなくて、寝てました…なんてエピソード=を話していました。その時、門先生に「毎週寝てたのがよかったんだ、だから1年も持ったんだね」といわれました。そのとき急に、言葉には表現できない「安堵感」に包まれました。「キミは怠け者なんかじゃないよ」と言って頂いた気がしたのです。当事、ADHDなど誰も知らず、思春期も病院に行けば不定愁訴といわれ、大学卒業後、みんなが人生を楽しんでいる土曜日にずっと寝てるなんて、歯がゆくてしかたがなく、自分では気合が足らないと思っていた。そんな「寝てばかりいた花の20代の土曜日」を「それでよかった」と名医に肯定していただいたことで、今までのくすぶっていた過去のストレスやトラウマが、少し小さくなった感じがしました。診察室でもなく、苦しんでいたその瞬間でもないのに、何気ない会話で、過去の自分の行動を肯定されるだけで、こんなに効き目があるのかと驚きました。(有名なドクターに言われたということで効き目が10倍あったかもしれません。)

一方で最新の脳科学の勉強をしていて、「大脳基底核という行動のスイッチを入れるところはドーパミンが少ないとONにならない」という事実も知りました。私は、リタリンを飲んだときと30分後にはすぐ活動できるのですが、その理由も脳科学研究のお陰で納得できました。(現在、リタリンはADHDには保健適応外で処方されません)

この事実も私のセルフエスティームを高めてくれました。「ドーパミンが多くならないと体が動かない」という科学的事実が、「気持ちは努力して行動したいけど、体が意志だけではなかなか動かない、単に怠け者でない」という自己理解につながったからです。

ADHD など発達障害の概念が広まっていなかったので、辛い過去の体験がある人は多いでしょう。でも交流分析のベックは、「過去は変えられない、未来は変えられない。」といいました。私は「過去の体験」自体は消すことができない。でも「過去の体験の解釈」はいつでも変えられるのです。そのために精神科的なアプローチと脳科学的(薬理学的)アプローチの融合された多角的な支援、対応法が重要と考えます。ストレスは主観がつくる。まさに自分が作り出す部分もあります。しかし主観だけで動かない肉体があることも事実です。今考えてみると、その辛かった就職1年目での休職あたりから、私は知識がないまま、ストレスマネジメントを自分なりに試行錯誤していました。今はありがたいことに分野別にたくさんのアドバイザーやメンターがいます。まず自分で試したストレスマネジメント法を講座では公開しています。毎回新ネタが入っていますので機会があったら、是非参加してください。(高山恵子)

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