会報(ニュースレター)一覧

カラフルライフ Vol. 38 (2008年6月号)

目次
  • 品川裕香さんの子ども支援最前線
  • 田中康雄先生のドクターのつぶやき
  • 子どもを思う気持ちと技術(20個の取り組み)
  • 「本人」という立場からできること
  • JDDネット「発達障害のある人の障害名公表等に関する要請」
  • るるこのまーいっか・・・
  • ずれちゃんの今日も元気(4コママンガ編)
  • 情報、その他
これからの目標

大学院生になってから2ヶ月が過ぎました。

北大の新緑が美しい敷地内を森林浴しながら歩くと気分がよくなり脳も活性化する気がします。院生ということで、講演依頼をお断りして北海道に来ていますが、講演する回数は変わらないかもしれません。結局、8日間で授業2回を含め、合計5回話しました。その中でも、急な思いつきで5月20日にプチ講演会を実施したときは感動しました。準備期間は3日間。基本的に非公開で、前日に口込みやゼミのMLに流しただけですが、30人弱の方が参加してくださいました。

発達障害者支援センターの相談員さんが中心となり、子育て支援センター、発達障害者支援センター、保育士、ST、スクールカウンセラー、教師、療育機関の相談員さん、医療機関の心理士さんなど様々な職種の方が集まり、また北大の卒業生や現役の学生さん、臨床ゼミの脳科学研究一筋、といった方も参加してくださいました。「今までの発達障害の講演会の中で一番わかりやすかった」「これからの方針が明確になった」「自分が今、やっていることをまた地道にがんばってやる気になった」と直接参加者それぞれの感想を聞くことができたので、私自身もエンパワーされました。

その中で印象深かったのは、「脳科学の基礎研究をずっとやってきて、臨床の現場で活躍している人たちの中で、このような話を聞くことは、今日が初めてだった。脳の基礎研究を臨床で活用するという視点を持ってこれからは、研究を続けたい」というゼミの院生の感想です。また、「一緒に研究をやりましょう」と言われ、私は、今後のやるべきことが明確になった気がしました。
1、学生や研究者の方に発達障害に興味を持っていただき、色々な研究を進めていただき、より多くのエビデンスを蓄積していく。
2、北大で集めた専門的で難しい情報を、日常生活や教育・福祉などそれぞれの分野で応用できるようにわかりやすい形で紹介する、ということです。

私の所属しているゼミは、医学部との連携もあり、MRIが使えるということがわかりました。そういえば、私は、大学は薬学部で、大脳生理学を学び、実は臨床検査技師の資格も持っていたのでした。

「わかっているのにできない脳」という本の著者エイメン博士の脳画像SPECTの講座にアメリカで出たことも思い出し、臨床教育学も、脳科学もやりたいと、また研究の方向性が少し変わりました。

担当の教授に研究題目に関して話してみると、もう私の特性を見抜いておられ、「来月も同じ内容だったら、博士論文の内容として真剣に考えましょう。」と言われてしまいました。確かに2月から約3ヶ月間で研究内容が文字通り二転三転、それもかなり離れた分野に飛んでいます。すでに5月病か、いつ中退しようかと思ったこともありました。

「博士論文を意識しないで、好きな研究をたくさんやるというのもいいでしょう。」といわれ(これはADHDの学生には最高のアドバイスですね!)、ペアトレの研究も自分の脳のMRIもと、全くかけ離れたことを両方やりたいと真剣に思うようになりました。

5月23日には、「脳科学リテラシーの話」をTAとして授業で取り上げました。ADHDに関する脳科学の情報として、遺伝子の話から、シナプス、大脳基底核、薬物療法に関してかなり専門的な話をしました。いつも一般向けに話をしているので、アカデミックな話をするのは久しぶりでした。その後、「脳科学リテラシー」に関してみんなで考えました。

リテラシーとは、批判的に読み、必要な情報を引き出し、その真偽を見抜き、活用する能力のこと。「評価・識別する能力」で、最近メディアリテラシーとかいろいろな言葉につけて使われている概念です。

「脳は、哲学、倫理、宗教、心理学などの分野からも探求されなければなりません。意識と意識下の関係、生命と文化観、生命と個体の関係などが研究対象となりますが、さらに、最近の脳科学の成果が、われわれの生命観・生活観にどのように影響するかを検討し、将来の人間の社会像を展望しながら、脳科学のあるべき姿を提案することも重要な研究活動の方向です。」と玉川大学の脳科学研究所のHPに書いてありました。ここには、脳科学リテラシー部門もあるのです。薬学、教育学、臨床心理学と学んできましたが、これからは脳科学もおもしろそうです。

皆さんとどこかでお会いした時には、また研究内容が変わっているかもしれませんが、常に中心には「ADHDなど発達障害のある子(成人も)の理解と支援」があることにはかわりはないのです。(高山恵子)

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