会報(ニュースレター)一覧

カラフルライフ Vol.37 (2008年4月号)

目次
  • 品川裕香さんの子ども支援最前線
  • 田中康雄先生のドクターのつぶやき
  • 過去の自分と向き合った時
  • ずれちゃんの今日も元気(拡大版)
  • キャンプ案内
  • るるこのまーいっか・・・
  • 情報、その他
新たな学びへ

「エジソンの母」の最終回を見損ねてしまいましたが、私がもしあの学校に巡回支援に行っていたら、ということで話をしたいと思います。

まず、アメリカでは小学校でも教える問題解決法を紹介します。番組では、「自作の羽をつかって、学校のベランダから飛ぶ実験をしたり、友人宅で同級生とガスをすって空中に浮遊するか実験しようとした。」という事件が起こりました。それに対して、次のプロセスで検証してみましょう。
1、 現状分析・問題点の特定
2、 解決策のブレインストーミング
3、 2の中からそのケースにあった、実行可能なものを選定
4、 3のアクションプラン
5、 実行のステップ

このケースであれば、1は「本で読んだものを検証したくて、実験を教室や友人宅で大人の監視のない中で行われて、生命に関わる状態になる寸前だった。」

そこで2では、「好奇心を潰さないで、授業ができ、危険な状態にならないように大人の監視下で実験ができる方法」をまず出してみる。という作業です。

疑問を持ちそれを検証したいと思うことは科学の基本で、その行為自体は悪くありません。現在文部科学省も科学教育に力を入れるという方針を打ち出していますが、仮説・実験・考察の過程を子どもたちに教える絶好の機会です。「実験したいと思う気持ちはとても大切、でもその実験が安全かどうかは、まだ子どもはわからないので、大人に相談してからやること。大学生でも実験は単独でやらずに、先生が指導するものだ。」ということをルールとしてしっかり教える必要があります。

ここで重要なのは、1で感情的になったり、批判しあったり犯人探しをするのではなく、淡々と事実の確認をすることが重要です。

また、外部から来たアドバイザーから「こうしたらいい」と一方的に命令されたらどうでしょうか? 担任が自ら3、4を考えたものでないと5への動機づけがかわりませんか? それは生徒も同じであろうと思います。

最近、茂木健一郎氏の「脳を活かす勉強法~奇跡の「強化学習」~(PHP出版)を読みました。「なぜだろう」と不思議に思ったときにすぐに聞ける環境があることが大切で、「分らないことは脳の反応の鮮度が高いうちに調べる」と書いてありました。

実は私は、北大の室橋先生と田中先生には、以前からよく質問をしていました。そしてご多忙にもかかわらず先生たちはとても丁寧に答えてくださりました。その中にICFがあります。

臨床心理士の試験勉強中に、日本の教科書にあった古い障害の定義(医療モデルとして批判が多かったICIDH)について疑問を持ち「この定義だと、発達障害の子たちは救われないと思います。日本ではこれを使っているのですか?」とメールした記憶があります。

そこで先生はICFについて教えてくださり、もっと詳しい人がいると、この分野のICFの第一人者の日本社会事業大学の佐藤久先生を教えてくださいました。受験勉強そっちのけで佐藤先生にコンタクトをすぐ取り、小冊子「アスペルガー症候群の理解と支援~ICFモデルから考える支援~」を作りました。その後さらに、教育分野でICFを使っている人がいると佐藤先生に研究者を紹介され、国総研の研究協力者になり、ICF関係の本2冊の作成に関わりました。現在は、中教審で学習指導要領にICFを反映してほしいと提案しています。

一つ質問からこんなに、奥が深まるのですから、勉強とは素晴らしいものです。

このような経過から、すっかり私の好奇心は賦活され、とうとう北大の大学院の博士課程にこの4月から行くことになりました!

茂木氏の本には、こうも書いてありました。「勉強とは自分と言う存在を輝かせ、人生の次のステージに登るためのもの」私の場合、確かに、アメリカの大学院に行った時、そう感じました。特に、多弁というADHDの症状が才能に変化していったのは、まさにアメリカの教育といえます。

今年度から玉川大学の大学院(教育学部)で、集中講座の講師もすることになり、大学院で学生と先生を同時にやると言う興味深い二重生活となります。そんな環境で「勉強」ということを改めて考えたいと思います。

4月から新学期が始まりました。一人でも多くの生徒が自分の存在を輝かせる勉強ができればと願います。もちろん、勉強は学校でだけとは限りませんね。(高山恵子)

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カラフルライフ Vol. 38 (2008年6月号)
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