会報(ニュースレター)一覧

カラフルライフ Vol. 36 (2008年2月号)

目次
  • 品川裕香さんの子ども支援最前線
  • 田中康雄先生のドクターのつぶやき
  • 実習から学んだこと・講演会情報
  • 「エジソンの母」感想(投稿から)
  • ずれちゃんの今日も元気
  • るるこのまーいっか・・・
    “KY”じゃないけれど・・・
「エジソンの母」を見て

皆さんはこのテレビ番組をご覧になりましたか?今回は、2つの視点で見てみました。

まずは、子どもの視点:やはり私には「似たところがあった」というのが、第一印象でした。好奇心が強く、質問をよくする子だったと思います。(しかし子ども心にも授業中に聞くと先生が嫌な顔をするので、休み時間に聞くようになったと思います。)私はあることに興味を持って、理科の先生に質問をしたことがあります。その先生は、「先生もわからない。不思議だね。」と答えました。その後、「夏休みの一研究をしたいから、科学の実験室を貸してください。」とお願いしたら、すぐに貸してくださいました。それが運よく科学展で入賞して、先生も私もびっくりしました。今考えると、この質問とその後の体験が、将来薬学部に行く動機付けになったのではないかと思います。またある数学の時間には、問題を前に出て回答するように言われた時、先生が教えた方法でない、自分のオリジナルの方法で解いてしまいました。(上の空で、授業は聞いていなかったのかもしれません。)しかし先生は、怒らず、まず感心してくれたのです。「面白い方法だね。」そして先生はクラスでこういったのです。「数学は解き方がたくさんある。大切なのは答えじゃなくて答えを出すまでの考え方なんだよ。」それから私は、数学が面白くなって、その先生の授業をしっかり聞くようになったのです。

私が学生だった頃、LDとADHDを知っている先生はいませんでしたし、特別支援教育ももちろんありませんでした。しかしこのように私の行動を「問題行動」ととらえないで支援してくださった先生は確かにいました。私の特性を理解し好奇心を育み、エンパワーしてくれた理科や数学の先生に出会えたことに心から感謝しています。

次は教師の視点からです:私は以前に英会話の塾を約10年間、経営していたことがあります。国際理解教育を基本とした授業で、ある時エジプトを紹介しました。ピラミッドの話をしていた時に、生徒の一人が、「なんで分度器もないのに、90度のピラミッドができたの?」と質問しました。私は思わず“GOOD  QUESTION!”と反射的に言いました。そして「その理由知りたい?これは中学3年生で習うことだから、みんなのお姉さんたちも知らないから自慢できるかもね。」といって、8人の子が全員、首を大きく縦に振ったので、私は、英会話の授業の中に、「ピタゴラスの定理」を教えました。5,6年生のクラスでしたが、みんな真剣にノートを取っていて、その熱心さは教える私のほうがびっくりするくらいでした。「不思議と思うことはとっても大切。これからもたくさん質問してね。」とても充実した授業になったことをこのドラマを見て鮮明に思い出しました。

その後、私は日本で教育学を学ばず、アメリカの大学院で教育学を学ぶことになりました。そこでこんなキーワードを知ったのです。TEACHABLE  MONENT: 教え時ことで、生徒が好奇心を持てるような環境を作るようにすることの重要性、そして子どもが自ら知りたい、学びたいと思っている瞬間、つまり質問してきた時にていねいに答え、それをコアに授業内容を組み立てることも時には大切と言うことをアメリカの教育学部で学んだのです。

実際、アメリカでは学生はとてもよく質問をします。幼稚園から大学院まで全ての教室でたくさんの質問が飛び交います。後でわかったことなのですがこの国では、「いい質問をすることが、授業に対する熱意、知識や知性を表す」と考えられていたのです。日本では、質問するのは、わかってない子、ダメな子というイメージがありましたので、大きなギャップを感じました。その後、3ヶ月間インターンとしてアメリカの小学校に配属された時、TEACHABLE  MONENTを上手に生かしている先生の授業を目の当たりにして、日本と違う教育方法にカルチャーショックを受けました。アメリカの教室では、「質問はありますか?」と教師が聞かなくても生徒は自由に質問し、先生はその質問に丁寧に答えていました。生徒の質問をうまく生かして、授業を始めることもありました。そしてわからないときは、「わからない」と教師もはっきり生徒に伝え、それをどう調べたらいいか、調べ方を指導しました。

テレビのエジソン君にも彼の好奇心を育んでくれる本当の意味での「恩師」が現れることを期待しています。教育委員会主催の研修会などで、「人格と問題行動を分けてください。」と先生方にお願いしますが、今度は「好奇心と問題行動を分けてください。」とお願いしたいのです。「いい質問だね、休み時間に一緒に考えようね。」と一言是非、声をかけてあげてください。

次回は、私がもしあのエジソン君の学校の巡回指導にいくとしたら、どうするかについてお話したいと思います。(高山恵子)

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