会報(ニュースレター)一覧

カラフルライフ Vol.50(2010年6月号)

目次
  • 田中康雄先生のドクターのつぶやき
  • 品川裕香さんの子ども支援最前線
  • 発達障害者と衣類
  • 事務局から
  • ズレちゃんの今日も元気
  • Dear ずれちゃん
  • 点滴?みたいなQ&A
  • るるこのまーいっか・・・
  • えじそんママのHappy子育て
  • 専業主夫のエッセイ
  • えじそんくらぶの会
  • エンジョイ☆ADHD
50回目のニュースレターによせて 

 1998年の12月に任意団体としてスタートしたえじそんくらぶのこの会報誌も、NPO法人化した2002年4月の創刊号から今回で50回目になりました。HPに表紙のエッセイを全て掲載していますので、興味のある方はご覧下さい。

 ニュースレターのタイトル「カラフルライフ」は、利根川進博士の奥様である吉成真由美さんの造語で、編集長の川崎が許可を得て使わせていただくことになりました。色々な性格や考え方があって当たり前なのに、日本の教育は、枠に入らない子を無理矢理変えさせているイメージが強いので、「もっとカラフルでいいよ」というメッセージを、このタイトルにこめました。このとき吉成さんからメッセージもいただいています。『今は価値観の大転換期にさしかかっているのだと思います。エジソンクラブのような草の根的活動を通して、この新しい価値観の支持者がしっかりと確実に増えていくことを心から期待しています。』

 この頃は、発達障害者支援法も、特別支援教育もありませんでした。そんな中、皆様のご支援を受け、ADHDの啓発活動を継続することができ、今に至っています。現在ではたくさんのADHD関係の本が出ていますが、当事、日本語で書かれたものは、えじそんくらぶが自費出版で出した冊子などごく一部でした。そんな時、当時東大病院の榊原洋一先生や品川裕香さんが本や雑誌で紹介してくださったり、NHKの番組で紹介され、徐々に「えじそんくらぶといえばADHD」と覚えてくださる方が増え、気がついたら約10年が経っていました。

 最近、自己実現編という言葉に引かれて、経済学者ドラッカーの「プロフェッショナルの条件」(ダイヤモンド社)を読みました。その中に「あなたは何によって憶えられたいか」という問いがありました。ちょっと日本語訳がおかしい感じですが、「えじそんくらぶと言えばADHD」というように、「どんな事実、どんな表現と共に自分の存在を人に覚えてもらいたいか」という質問です。これこそ、自己実現と密接な関係がある問です。
 あなたは、あなたという存在を、何と関連付けて人に覚えていてもらいたいですか?私も自問自答しています。やはり「高山恵子といえばえじそんくらぶ、ADHDの当事者」でしょうか?
 大学時代の友人で、私より実行機能も良好で器用、さらに社会性もあり、優秀な人がいました。優秀な薬剤師でしたが、昨年残念ながら癌で他界しました。彼女のイメージは、「家族を支えたしっかり者」です。ADHDとLDの特徴のあるご主人を高校生のときからサポートし、子ども三人をしっかり育てました。彼女はユニークな夫を支え、子どもを自立させたことにきっと喜びを感じていたし、誇りに感じていたと思います。彼女のことを考えると、社会貢献だけでなく「家族のサポート」というのも大きな自己実現なのだと思います。

 このドラッカーの本は、ビジネス書であるにもかかわらず、発達障害にも関連する概念も入っていました。「コミュニケーションとは受け手の言葉を使わなければ成立しない。受け手の経験にある言葉を使わなければ、説明しても通じない、理解されない。受け手の知覚の能力の範囲を超えていないか、確認する必要がある。」というところです。 
 これは、教師が生徒に、親が子どもに話すときに、そして特に自閉症系の方とのコミュニケーションを考えるとき、まず考えなければならない基本です。相手の価値観、意図、特性、理解度、経験、言語能力、そして興味をトータルにを理解した上でないと、コミュニケーションは成立しない、そして、「双方向のやり取りが成立しない時、人の発する言葉は、雑音でしかない」ということです。「話し手がどう話したかではなく、相手がどう受け取ったか」これがコミュニケーションの全てです。「先生や親が言っていることがわからない。」 これは「話し手が聞き手のいろいろな特性を理解していないから、わからない」ということがあるのです。
 約10年間えじそんくらぶの活動をして最近痛感することは、発達障害の難しい理論を、聞いたこともない専門用語で解説するのではなく、シンプルな話に変えて、わかりやすく多くの方に理解してもらうことが重要ということです。そしてそれが、私の役目なのではないかと思うのです。
 そんなことを考えているうちに、先ほどの質問の答えが一つでてきました。「ADHDを通して、新しい価値観の支持者を増やす活動をする人」として、私は記憶されたいと思います。
 また皆様に講演会や本、そして会報誌で色々なメッセージをわかりやすくお伝えできるよう努力したいと思います。
これからもご支援よろしくお願いします。
(高山恵子)

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