会報(ニュースレター)一覧

カラフルライフ Vol.48(2010年2月号)

目次
  • 田中康雄先生のドクターのつぶやき
  • 品川裕香さんの子ども支援最前線
  • 点滴?みたいなQ&A
  • るるこのまーいっか・・・
  • 二人三脚 No3
  • 講演会情報
  • えじそんママのHappy子育て
  • えじそんくらぶの会
  • エンジョイ☆ADHD・お知らせ
今、私たちにできること

 昨年12月、私はJDDネットの理事・当事者として総理大臣官邸で実施された中央障害者施策協議会(中障協)に参加しました。これは総理大臣が障害者基本計画策定に関し、意見を聴くための機関で,委員の名簿、議事録等は内閣府のHPに掲載されます。他にも「障がい者制度改革推進会議」が設置されましたが、発達障害のある当事者や関係者が不在で、参加をお願いするための記者会見(1月22日)がありました。今後の発達障害の施策に大きく影響するため、JDDネットとして大臣や議院の方々にお願いしています。
さて、話は中障協に戻りますが、福島智先生も委員でした。途中からの全盲ろうの方で、“指点字”を母と考案、「障害学」が専門の東大教授です。この会議でも「自分は障害者だと思わない、障害はその人の環境の中から生まれる」と発言され、「ADHDは理解と支援で個性になる」というえじそんくらぶの理念と合致し、勇気付けられました。
福島先生はNHKの爆笑問題「日本の教養」で、「『絶望=苦悩-意味』だと思う。苦悩があるから、不幸と考えるのではなく、意味をそこに見いださせれば、それは絶望ではない。」ともおっしゃいました。これはまさにストレスマネジメントに通じます。私は最近「過去の体験は変わらない。過去の体験の解釈は変えられる」とお話します。原因やメカニズムがわかるとストレス自体はなくならなくても絶望感は薄らぐ気がします。子どもの「問題行動」と思っていた行動が、実は「発達障害だった」とか、親から虐待されたつらい経験も大人になって事情がわかり、「親もストレス状態だった」とかうまくいかない関係が「お互い悪くない」、とわかると少し気持ちが楽になるということはないでしょうか?「なんだかわからない、先の見えない不安」がストレスの根幹かもしれません。
しかし、環境調整や解釈を変えるだけで、解決しない問題もあります。最近私は急速にADHD症状が悪化しています。このメカニズムも10年前からアメリカで知っていたし、脳科学を勉強してADHDの実行機能や報酬系のメカニズムも理解しました。しかし行動のスイッチが入らないことには変わりが無く、周囲に迷惑をかけています。それが大切にとってあるリタリン1/3錠服用するとしっかり覚醒し、苦手な仕事も集中できるのです。そんな時しみじみ感じるのは「症状を改善する薬があり、飲むと支障がなくなるのは、やっぱり障害者なんだ」という思いです。
ADHDや自閉症などの生活障害の内容は、学校、就労や結婚などライフステージで変わります。確かに個人的な努力と周囲の環境調整である程度なら改善します。しかしそれだけではやはり限界があり、薬物療法を含む、医療的支援、教育的支援、就労支援など行政や福祉の支援も重要です。

 この度ICFの視点:「障害のある子とその家族の日常生活(環境因子・参加活動)」のアンケート依頼が来ました。これは厚生労働科研「『生活機能』のコード化に関する研究」の一部です。
えじそんくらぶはICFを全国に先駆けて会員の皆様にお伝えしてきました。国連障害者権利条約を批准してない日本ではその批准のために、「障害者のための環境が整っていない」というデータが今、必要です。「日本の発達障害の現状」をアンケート結果という「事実」として、アピールするチャンスです。私も1障害者として記入しましたが、「アンケート自体が発達障害のニーズにあっていない」という印象を持ちました。実は、ICFは発達障害にかかわる項目(特に教育面など)が少ないのが、課題です。その分は自由記述のところできちんと書く必要があります。
中障協などでは単なる個人意見では施策を変えることは難しく、やはり重要なのは研究結果、データなのです。その意味でもアンケートはみなさんの、現状を訴える最高の機会であり、これは要望書を出す以上に「環境改善」への近道であると考えます。さらに当事者抜きの障害者政策、つまり発達障害の当事者もしくは関係者抜きの障がい者制度改革推進本部の設置は、好ましくないという事実をアピールすることにもなるでしょう。手帳をお持ちでなく発達障害の診断をお持ちの方は、是非アンケートにご協力下さい。(当事者の年齢不問、記入は親でも可) ご協力してくださる方は、「ICFアンケート協力」という件名でメール、お電話等で事務局へ ご連絡下さい。えじそんくらぶは以前にアンケートの回収率100%を達成したこともあり、会員の方の意識の高さを反映しているものと、心から感謝しています。今回も是非ご協力をお願いいたします。(高山)

カラフルライフ Vol.47(2009年12月号)
カラフルライフ Vol.49(2010年4月号)
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