会報(ニュースレター)一覧

カラフルライフ Vol.47(2009年12月号)

目次
  • 田中康雄先生のドクターのつぶやき
  • 品川裕香さんの子ども支援最前線
  • 点滴?みたいなQ&A
  • るるこのまーいっか・・・
  • えじそんママのHappy子育て・講演会情報
  • 二人三脚 No2
  • えじそんくらぶの会
  • エンジョイ☆ADHD・お知らせ
社会的な報酬

 2009年も残り少なくなりました。皆様にとってはどんな1年だったでしょうか?
 私にとっては、今年は特別な1年になりました。それは父が9月に他界したからです。11ヶ月の闘病生活のあと、最後の10日間は在宅で緩和ケアを受けました。今は、医療技術が大変進んでいて、発見が早ければ手術方法もさまざまあり、完治の可能性が高く、いいドクターに恵まれればこころのケアも充実しており、クスリも多種多様でびっくりしました。薬剤師の資格を持っていても名ばかりで、この分野の薬物に関しては全くわからない私でしたが、心と体の痛みを緩和しながらQOLを高めることができるなと実感しました。

 父の遺志で家族葬にしました。仕事はキャンセルするわけにはいかないので、葬儀の翌日の午前中、自分自身がストレス状態の中で、札幌でストレスマネジメント講座を提供することになりました。その後四十九日の法要までの間にも発達障害のある子の親向け、パステルゾーンのお子さんの親向け、里親向け、保護観察中の親向け、とずっとストレスマネジメント講座が続きました。さらにその合間を縫って講演の仕事もしました。
 「疲労と疲労感は違う」とNHKの人気番組「ためしてがってん」でも紹介されましたが、達成感や報酬が与えられると、「体は疲れていても疲労感がなくなる体験」、みなさんもあることでしょう。私もこの三ヶ月間、その感覚を身を持って感じることができました。ある懇親会で、何回も読んでくださり、ぼろぼろになった「おっちょこちょいにつけるクスリ」にサインを求められました。また講演の前後に話しかけてくださり、「以前に高山さんの話を聞いて生きる勇気と指針ができた」とか「電話相談で救われました」と涙を浮かべて感謝されることもありました。講演後の感想文で、「悩んだ時に『育てにくい子に悩むサポートブック』をよく読みます。著者にずっと会いたかったので、今日話が直接聞くことができてよかった。感動した。」と書いてくださる方もいます。他にも「以前より、ゆっくり話すようになって聞きやすくなった。」とか「時間ピッタリに終了できて素晴らしい」とか、あたり前のことができても褒めてくださるリピーターの方も多く、大変うれしく思いました。まさにこれはお金では買えない「社会的報酬」をいただいているのです。このエッセイの読者はご存知の方が多いかと思いますが、達成感や報酬は、ドーパミンを増加させ、疲労感を減少させ、動機づけを強化し「またやりたい」と思う気持ちを強くさせます。最近の研究で、「社会的報酬」と呼ばれるほめられること、感謝されることなど、物質的な報酬以外の外部からの言葉がけという報酬でもドーパミンがでることがわかっています。今回私は、通常のサポート以外にも皆様からの「社会的報酬」にずいぶん救われました。ストップしていた仕事が山積みですが、実行機能のスイッチをONにして本格的にスタートしたいと思います。まずは、冊子の手直しとリーフレット第3弾(パパのためのストレスマネジメント3つのヒント)、ちょこっとチャットの新バージョン(子ども向け、大学生向け)、「おっちょこちょいにつけるクスリ」の第2弾(ADHDサバイバルストリー)を頑張りたいと思います。

 よく、風邪は万病の素といわれていますが、ストレスも万病の素です。風邪は完治することが簡単であり、あまりメンタル面での障害の基にはなりませんが、DSMに掲載されている障害の多くがなんらかのストレスが原因といえそうです。しかしストレスが全て悪いわけではないです。「時間がない」というストレス状態で実行機能のスイッチが入るということもありますよね!つまり発達障害の特性と同様、ストレスもメカニズムを知った上で上手く付き合うことが大切なのでしょう。自分の力で解決できない辛い出来事やストレスもあります。その時は、「人に助けをもとめる」ことや「嫌なことを忘れることができることに没頭して回避する」ことも重要です。罪悪感を感じずに30分以内のお昼寝やお笑い番組で爆笑することも重要なストレスマネジメントの一つです。皆さんも「自分を大切にする」ということを忘れないで下さい。
 ただ、「自分を大切にしすぎて、周囲がストレス」という場合も多々あります。自責(自分を責めること)と他責(問題を自分以外の原因のせいにして他を責めること)のバランスも重要なのでしょう。お互いに得意なことで誰かのためになにかをして、ストレスをちょっと減らし合うことができるといいですね。まずは、ねぎらいと感謝の言葉からはじめましょうか? この一年間の皆様のご理解とご協力に感謝です。
よいお年をお迎えください。(高山恵子)

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