会報(ニュースレター)一覧

カラフルライフ Vol.45(2009年8月号)

目次
  • 田中康雄先生のドクターのつぶやき
  • 品川裕香さんの子ども支援最前線
  • 投稿 「二人三脚」
  • るるこのまーいっか・・・
  • 点滴?みたいなQ&A
  • えじそんママのHappy子育て
  • えじそんくらぶの会
  • エンジョイ☆ADHD
  • お知らせ・ズレちゃんの今日も元気
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 先日、田中康雄先生が初代代表の十勝ADHD&LD懇話会の設立10周年の記念冊子用のエッセイの依頼が来ました。思えば、田中先生と十勝ADHD&LD懇話会との出会いがすべてのはじまりでした。川崎からの紹介で、当事緑ヶ丘病院勤務で会ったこともない田中先生と国際電話で1時間も話し、意気投合しました。
 その後、川崎が中心となって準備した1998年12月の札幌の講演会で、私たちは初めて一堂に会すことになりました。私は苦手な論文作成を終え、出発当日の朝までかかって引越荷物をまとめて、なんとかワシントンDCから飛行機に乗り、成田から札幌に直行し、時差ぼけの中、札幌と十勝で2日間で4回講演しました。人間ドーパミンがでるとすごいパワーが出るものです。

 この私に日本で最初の大きな会場での講演依頼をくださったのは、十勝の懇話会です。今考えると事前に内容の確認も進行の打ち合わせもほとんどしないで、全く素性も知れない私の講演会に200人以上もご参加いただいたのは、奇跡としか言いようがありません。もしあの時、参加者を満足させることができなかったら、ブーイングの矛先は、企画者の田中康雄先生に向けられたことでしょう。私は、アメリカ留学で感銘を受けた「セルフエスティーム」という概念を日本ではじめて紹介しました。「ADHDの理解と対応」というタイトルでありながら、「セルフエスティーム」と支援者なら誰でも知っているマズローの欲求の階層の話をしたのです。ADHD対応と言えば、当時アメリカでは行動療法と薬物療法のオンパレード。バークレー博士や脳画像研究者エイメン博士など一流どころの最先端の情報も、留学中に講演会に出向き直に仕入れていました。しかし、アメリカ帰りのスピーカーが日本で話すADHDの講演として期待される最先端の情報提供でなく、一見ピントが外れているように思えるトピック「セルフエスティーム」を私は選びました。ですからその評価を気にしていましたが、主催者や参加者の方々からたくさんの温かいメッセージをいただき、この講演会は私にとっては、特別思い入れのあるものになりました。(今考えると、「誰でも知ってる内容で最新のアメリカの情報もあまり入っていないつまらない講演」と酷評を浴びる可能性が高く、もしかしたら、この十勝の講演会が記念すべき最初で最後の高山恵子の講演会になっていたかも!)

 この北海道の講演会では、基本的理念が同じだと話す時間は短くても意気投合し、行動に移せるということが実感できました。実は、私は、アメリカに留学するまえに日本で10年間英会話スクールを経営していました。そこで欧米の最先端の教育の基本である、Student Centered (Teacher Centered と対をなす概念で、教師中心ではなく生徒中心)の教授法を実践していました。田中先生と十勝の懇話会のメンバーには、Children First という理念が中心にあったと後で知りました。Children First と Student Centeredという共通項の多い理念がたくさんの奇跡を生んだのだと確信しています。
そんな出会いの後、田中先生は、まったく実績のないえじそんくらぶの会報誌(準備号)に寄稿してくださいました。その文の最後にはこんな言葉が添えられていました。
「えじそんくらぶという組織ができました。われわれ医療・療育・教育専門家だけでなく、親や子どもたちにとって、とても頼りになると期待しております。ぜひ息長くがんばってほしいと思います。私もできる限り協力したいと思います」。先生もよく、無名で怪しげなえじそんくらぶと高山恵子にエールを送ってくださいました。田中先生のこの推薦文がなかったら、えじそんくらぶの入会者はいなかったのではないかと思っています。「ADHDは理解と支援で個性になる」という理念は全くぶれていないことを、十勝の冊子用のエッセイを書きながら確認できました。

 7月には、キワニス公益賞をいただきました。(http://www.japankiwanis.or.jp/)キワニスは、アメリカのインディアナ州で設立された奉仕団体です。 上記の賞を選考委員の方々の満場一致でえじそんくらぶがいただけることになったと聞き、大変光栄に思います。これも皆様のご支援があったからこそと心から感謝しています。今後もこの賞に恥じないように、生徒中心、当事者中心、参加者中心の理念を貫いて、皆様とともに発達障害のあるひとが、実力を出せる社会を構築できるように微力を尽くしたいと思います。

 10年前、全く無名であったADHDの当事者の一人に過ぎないこの私は、この8月の鹿児島の全国情緒教育研究会の全国大会の講演(なんと1日に5時間)で全国の都道府県で講演を行ったことになります。今後ともご支援をお願いいたします。(高山恵子)

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