要請書・その他

2006年12月6日 NPO法人えじそんくらぶからフジテレビへの意見書2

株式会社フジテレビジョン
代表取締役会長 日枝久様
代表取締役社長 村上光一様

2006年12月6日
NPO法人えじそんくらぶ
代表 高山恵子

貴社の放送番組に対する対応に関しての意見書 2

NPO法人えじそんくらぶは、フジテレビ系「恐怖の食卓」(2006年9月28日(木) 19時から20時54分)において放映された「現在の子どもの未来の病気」というコーナーで、ADHDに関して不正確な情報が放映されたと理解し、ADHDの当事者を支援する団体として謝罪の要求を含む意見書を10月7日付けで郵送いたしました。
その返答として、10月26日付けで番組担当者から頂いた内容に関して、納得の得られない点があるため、NPO法人えじそんくらぶは以下に事実確認をさせていただきたいと思います。さらに、再度、関係者特に保護者、当事者の方々へ新聞等での謝罪広告及び貴社HPでの謝罪の掲載を要求いたします。
また、放送倫理・番組向上機構のBPO報告No.41に「食生活からADHDを引き起こすことを紹介した番組への指摘が目立っている」と記述がありますが、それに対する貴社の今後の対応もお聞かせください。

確認事項
1)食事との因果関係について
回答では「現在の食生活を継続した場合に将来発症する可能性のある病気の一つとして専門家の意見に基づいて紹介し」、「いくつか想定される原因の一つ」という理解で、ADHDを取り上げた」と書かれています。 しかし、現代の児童精神医学では、ADHDは生来的な中枢神経系の発達のアンバランスと理解され、食事の問題が、今回放映されたように、中心的な原因ではなく、「食事の取り方によって,しばらくしてから「発病」する」という見解も、現在の医学では、認識できません。(ちなみにADHDの診断基準として7歳前から症状があることが基本条件です。)
「現在の食生活を継続した場合に、将来発症する可能性のある病気」というリストが存在するのか、またその中にADHDがあるとしたら、その科学的根拠となる文献をご提示ください。そうした事実を確認せずに放映されたのであれば、この放送内容に関しての訂正と謝罪文をいつ、どのように放映するか、お知らせいただきたいと思います。

2)「キレる」という表現をADHDの「代表的症状として、わかりやすい表現として使用した」とありますが、こうした表現でADHDのある子どもたちの症状を表現する、これはつまり ADHDのある子どもは「キレる」言動を示す,と放送したことになりますが、診断基準にない言葉を、しかもさまざまな負のイメージを作り出すような言葉をあえて使用し、人権問題にも発展しかねない行為に関し、貴社の倫理,道徳的見解について、お知らせ下さい。

3)少年事件の件では、いつくかの文献を根拠としていますが、そもそもこの番組が、食事内容でADHDが発病するかのような印象を与え、さらに、「ADHDのある子どもは、キレやすく、非行少年に至りやすく、その非行少年は医学的には、行為障害などと呼ばれ、ADHDの数10%は移行するという説もある、だから食事で発病するADHDは犯罪に至りやすい」という誤解を招くような放送内容であったと、理解します。
少年犯罪に関しては多くのリスクファクターが存在し、ADHDのある子どもイコール少年犯罪者予備軍とイメージされる内容は、あまりにも短絡的あるであり、人権問題にかかわるものと考えます。周知のように、この犯罪と発達障害の問題については、日本自閉症協会のほうでもメディアガイドを作成しています。 http://www.autism.or.jp/report05/mediaguide/mediaguide.pdf
ADHDも同様といえます。この点についても,貴社があえてこの話題に触れた認識について、倫理面、人権に関した見解に触れお知らせ下さい。
そして、もしそうした事実を確認せずに放映されたとすれば、その社会的責任は大変重いと思われます。

4)ひきこもりとの関連
ひきこもりとの関連性についてのご説明が、不明瞭でした。
貴社がどのような理解で、この用語を使用したのか、まずその定義についてお知らせ下さい。その後使用された気分障害や不安障害との関係についても、どのようにご理解しているのか、お知らせください。

5)コメンテーターについて
コメンテーターの人選については、基本的には貴社の判断ですが、
そのうえで、今回教えていただきたいのは、ADHDは通常、児童精神科あるいは小児精神科のドクターが担当しますが、脳神経外科医の馬場先生を人選なさった理由を実際に馬場医師のADHDに関する臨床経験とともにご説明ください。
また、今回の質問すべてについても、馬場先生の見解もいただきたく思います。なお個人的に馬場先生の臨床姿勢やお人柄を批判するものではないことを強調させていただきます。

6)今回の放送内容は、えじそんくらぶはじめ、文部科学省、厚生労働省のADHD等の啓発活動や取り組みなど、時代と逆行する内容であり、この点どの程度の認識をされているか、またこの件に関しての苦情やクレームに関し、どのような社内対応がなされているのか、明確なご返答をお願いします。

最後に、今回の「誤った情報の放映」で、当事者とその家族は、さらなる偏見やいじめが加速しないかとても心を痛めています。今後、この放送内容について、前回の内容で不十分であった部分の具体的な訂正と謝罪方法を具体的にご提示ください。
また、放送倫理・番組向上機構から連絡を受けた後、貴社でどのような対応を実施したか具体的内容をお知らせください。今後、このような内容の番組の制作・放送に関する方針もお知らせいただきたいと思います。

(頂いたご回答は、当法人のHP及びニュースレターに掲載する予定です。)

NPO法人えじそんくらぶ
代表:高山恵子
事務局:〒358-0003 埼玉県入間市豊岡1-1-1-924
TEL&FAX:04-2962-8683
代表メールアドレス: info@e-club.jp

2006年10月26日付フジテレビからの回答
2006年12月27日付フジテレビからの回答
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