会報(ニュースレター)一覧

カラフルライフvol.85(2016年4月号)

  • 02  品川裕香さんのLD支援最前線72
  • 03 会員さんからのQ&A(中野先生)
  • 04 向井義先生のライフコースを広げよう
  • 05 会員さんからのQ&A(向井先生)/合理的配慮に関するご案内
  • 06 合理的配慮の時代の支援とは
  • 07   えじそんくらぶ便り その4/各会との共催講座等の案内/復刻版4コマ漫画
  • 08   子育ての途中自分に還る旅がはじまる(1)
  • 09 えじそんくらぶの会 活動予定
  • 10 エンジョイ☆ADHD/事務局から
辛いことがあったあと、幸せになれる社会を作ろう

いよいよ新年度です。
この3月にいろいろな節目を迎えた方も多いでしょう。節目といえば3月11日、あの東日本大震災から5年が経ちました。津波で犠牲になった多くの方々のご冥福を再度、お祈りしたいと思います。

あの悲惨な状況がテレビで長時間放送され、自然の驚異を目の当たりにして、人間という存在は本当にはかないと思った方も多いことでしょう。
しかし、5年間で成長した被災地のお子さんたちの元気な姿を見て、回復力の大切さを感じました。
私も気仙沼でストレスマネジメントの講演を、支援者の方々にボランティアでさせていただきました。アメリカ軍の「トモダチ作戦」のおかげで何とか滑走路は使えましたが、空港に行く道は見るも無残でした。枠組みだけの一軒家、横倒しの大きなトラック…、本当に悲惨でした。

そんな中、阪神・淡路大震災と同様に、日本中から物資が届き、ボランティアの方々が集まりました。人の温かさにふれ、心が和んだという方も多かったことでしょう。あのフィギュアスケートの羽生結弦さんも避難所で何日か過ごし、その時に久しぶりに食べたおにぎりの味が今も忘れられないと言っていました。最悪の状態の時や、大きな失敗をして「もうだめなのではないか」と思った時ほど、人から優しくされるとその温かい真心に救われ、「人生捨てたものじゃない」と思えるものです。

私も最近、うれしい経験をしました。仕事で大阪に行った時のことです。
クレジットカードがなくてびっくりしました。西武線の定期券もなく、バッグやポケット、いろいろ探してもありません。青くなって駅に電話をかけましたが、残念ながら見つかりませんでした。

ストレスマネジメント講座で、「ポジティブなシナリオに変えましょう」と言っている私も、さすがにクレジットカードと定期券なので、かなりショックでした。
数日間意気消沈していたら、カード会社から電話がありました。大阪でカードが拾得されたという連絡でした。
なんとラッキーなことに、拾ってくださった方がカード会社に電話して、連絡先を聞いて、着払いの宅急便で送って下さったのです。世の中にはまだまだいい人がいるなと、本当に感動しました。心がほっこりと温まり、感謝の気持ちであふれました。

私はこれまで多くの忘れ物をしてきました。
傘は50本ぐらい、電子辞書やスマホ、買ったばかりのコート、大切にしていたスカーフなど戻ってこないものもありましたが、今回のように戻ってきたものもあります。
親切な人がいて忘れ物が戻ってくるという状態と、戻ってこなくて人に対する不信感や恨みが募っていくという状態(悪いのは自分なんですが)では、精神状態は大きく変わるといえます。ICFのモデルではありませんが、環境因子(周りの環境)はとても大切ですね。ミスをしても幸せになれる、そんな社会ができたらいいなぁとつくづく思いました。

プラスの上書きができると、精神状態は大きく変わります。
私には多くのケアレスミスがあり、ハプニングがないことがハプニングという感じです。
うっかり何かを忘れると、自分の無能感にさいなまれ、本当に落ち込みます。でもそのショックの後、ものが戻ってくると、人の温かさにふれ、幸福感を感じるものです。この喜びの方をじっくりと味わうようにしています。作業記憶障害があるからこそ、人の優しさにふれることが多く、これこそが私の人生なのです。

4月からいよいよ合理的配慮が実施されます。
法律があるから配慮するのでなく、診断名がなくても、それを「思いやり」でサポートし合うことができたら、とても素敵だなと思います。皆様もよい新年度をお迎えください。

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カラフルライフvol.86(2016年6月号)
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