会報(ニュースレター)一覧

カラフルライフvol.82(2015年10月号)

  • 品川裕香さんのLD支援最前線69
  • 会員さんからのQA(中野先生・向井先生)
  • 向井義先生のライフコースを広げよう
  • えじそんくらぶ通信 その1
  • 平成278年度会員更新に関するお知らせ
  • 私のカサンドラストーリー/復刻版 4コマまんが
  • 「えじそんくらぶの会 活動予定
  • エンジョイ☆ADHD/講座案内
『自分の感情との付き合い方』

みなさんは、「インサイドヘッド」というディズニー映画をご存じですか? この映画は、「感情」をアニメキャラクターにして、コメディタッチで生き生きと描いています。「感情」は、ヨロコビ(Joy)・カナシミ(Sadness)・イカリ(Anger)・ムカムカ(Disgust)・ビビリ(fear)の“5人”。この“5人”が、親の都合で引っ越しし、転校先での動揺を抱えながらも、新しい環境に順応しようとする主人公の少女ライリーの頭の中を舞台に、縦横無尽に動き回ります。“彼ら”の動きにつられて、ライリーの感情も動きます。

みなさんは、気づいたら怒っていたという経験はありませんか? こんなとき、頭の中ではイカリが、他の“4人”を差し置いて支配権を握っているということです。

この映画は、子供が見てももちろん楽しいのですが、大人が見るとそれぞれ深く感じるところがあるかと思います。私の講座を受講したり、ストレスマネジメント系の本を読んでからこの映画を見たり、この映画を見てからそれらを体験していただくと、感情コントロールのメカニズムや大切さが、よりリアルに伝わると思います。

また、この映画を通して、「すべての感情はそれぞれ大切な役割がある」というメッセージも感じ取れるでしょう。一般的に、ダメと思われがちな怒りや悲しみなども、「そういうときもあるよね」「この感情にも大切な役割があるんだった」と、感情と一体化することなくクールダウンできたらいいなと感じました。

学童期前には、「感情の同定」ということが大切だと言われています。つまり、喜怒哀楽を基本とした、自分の感情の状態に名前をつけるという作業です。これは、モノや人の名前を覚えることより、かなり高度な認知作業です。この映画のように擬人化したアニメを小さいころに見た子どもたちは、この「感情の同定」の作業がスムーズにいくかもしれません。皆さんやお子さんがどんな感想をもったか、非常に興味深いところです。見る人によって、いろいろな感想が出てくる映画だと思います。使い方によっては、ソーシャルスキルの教材にもなりそうです。

この映画では「思春期」というボタンも登場しましたが、私の思春期を思い起こすと、イカリとムカムカがとても長かったように思います。特に、親の言動の1つ1つに対して、今考えると不思議なくらいにこれらの感情が主導権を握っていました。

思春期は、メタ認知(自分を客観的に見る力)が高まり、ホルモンなどの急激な変化とセルフイメージ、セルフエスティームなどの変化が、台風のようにやってくる自立の大切な時期といえます。

私は外向タイプなので、怒りなどの感情を暴言などの形で外に吐きだしていましたが、内向タイプの方は、自分の中にため込んでしまう方も多いかもしれません。学校ではひたすらためこんで、家族に八つ当たりしたり、上手に吐き出せる方法が見つからずストレス状態になったり、パニックになったりしてしまうことがあります。そんなときは、自分も周囲の人も100%悪いと思わず、一種の感情表現、自己表現の結果だと少し客観的にみられると楽になれるかもしれません。

感情とうまく付き合えると、QOLが自然と高まります。発達障害があると、いろいろな意味で感情のコントロールが苦手なので、思春期を経た後にも心の葛藤や怒り、不安などが継続することがあるでしょう。

実行機能をオンにするためにも、対人関係をよりよくするためにも、感情のコントロールは大切です。えじそんのリーフレットで色々な情報を提供していますので、再度ご覧になってください。(高山恵子)

カラフルライフvol.81(2015年8月号)
カラフルライフvol.83(2015年12月号)
トップ >> えじそんくらぶの活動報告 >> 会報(ニュースレター)一覧 >> カラフルライフvol.82(2015年10月号)