会報(ニュースレター)一覧

カラフルライフvol.79(2015年4月号)

  • エンジョイ☆ADHD/編集後記
  • 品川裕香さんのLD支援最前線66
  • 会員さんからのQA
  • 向井義先生のライフコースを広げよう
  • 第14回 総会のご案内/その他事務局から各種案内
  • 平成26年度・研修生ご挨拶/4コマ漫画
  • あるお母さんの手記2(投稿記事)
  • えじそんくらぶの会 活動予定
  • エンジョイ☆ADHD/メールマガジンに関するご案内
『就労支援でも活用できること』

桜の季節になりました。皆様はいかがお過ごしですか?

新年度で進学、就職など大きな環境の変化がある方も多いでしょう。えじそんくらぶでは、月に1回サポート校で就労支援トレーニングを実施しています。その支援の中で見えてきたポイントを冊子にまとめましたので、順次配布したいと思います。
ある研究によると、退職せずに仕事の継続ができた発達障害のある成人の因子が3つあるそうです。

①充実した余暇活動、②いい距離感を持った親子関係(放任でも過保護でもない関係)、③健康(基本的な生活習慣)ということです。就労にむけて、3つのことを学生の時から目標としておくことが大切ということで、これは自立のステップでもありますね。

では具体的にどうしたらいいのでしょうか?そのヒントの一つが、3月22日に主催した「子どもの睡眠障害の理解と支援」(兵庫県立リハビリテーション中央病院子どもの睡眠と発達医療センター副センター長の中井昭夫先生)の講演の中にありました。改めて、発達障害のある子どもと成人の問題の根源のひとつが、睡眠にあることを痛感しました。
中井先生は、カナダの研究所でセロトニンの研究を近年のように注目される以前からなさっていました。運動やしっかり睡眠をとることで、前頭葉の血流が高まり、集中力・作業記憶・計画性が高まり、ADHDの主な症状が改善するというお話があり、大変興味深かったです。

不登校と睡眠障害との関連も研究が進んでいるようです。ここで注目すべきことは、ゲーム依存との関連です。韓国では50時間、寝食もとらずゲームをやって死亡した人がいるほど、ゲーム依存が社会問題になっています。韓国のドクターの希望で、新しいDSM-5にインターネットゲーム障害という項目が新たに入ったとのことです。ゲームがやめられず寝なくなり、寝不足などから睡眠のサイクルが狂ってきて睡眠障害になり、不登校になるというケースが増えているそうです。

睡眠に深い関係があるセロトニンを増やすことで睡眠の質がよくなることがわかっています。そのために、セロトニンの材料であるトリプトファンが多い食事をとること(サプリメントの過剰摂取は逆に害があるそうです)と運動、午前中に光を浴びることで、体内でセロトニンが作られるのです。そう考えると、運動部の活動は、ソーシャルスキルを高めるだけでなく、運動でセロトニンを生成する場でもあるということを多くの先生方に知っていただきたいと思います。運動ができない子をやめさせるのではなく、部活を継続させる支援が重要です。確かに試合に勝つということも大切ですが、睡眠時間を極端に短くしてまで朝練をすることは成長期の脳には好ましくないそうです。

近年、脳のメカニズムや発達障害のことが最近は少しずつ解明されてきました。集団と個人との兼ね合いは日本では永遠の課題ですが、「合理的配慮」がいよいよ日本の学校でも適用される時代になりました。診断名がついていなくても、ちょっとした思いやりで人と違った条件を許す場所が部活中も増えて、継続につなげてほしいと思います。

睡眠の乱れは、新生児でも環境によっては、すでに出てくるようです。どなたでも、睡眠に課題があるようなら、睡眠表をつけてみましょう。2007年に出版した、「育てにくい子に悩む保護者サポートブック」にいち早く、掲載しました。お持ちの方は、ご活用ください。規則正しい生活リズムと体力をつけることは、学業でも就労でも基本となります。改善が難しい時は、専門家に相談してみましょう。新生活は、負荷がかかることが多いので、いい睡眠を心がけましょう。 高山恵子

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