会報(ニュースレター)一覧

カラフルライフ Vol. 34 (2007年10月号)

目次
  • 田中康雄先生のドクターのつぶやき
  • 品川裕香さんの子ども支援最前線『』
  • NHK厚生文化事業団のびのびキャンプ報告
  • るるこのまーいっか・・・・
  • 養成講座 実践報告
  • JDDネット年次大会・指導者養成講座案内・雑感など
私たちの想いを本に!

私はこの夏、二冊の本作りにかかわることができました。その一つは、ICFの本で「ICF及びICF-CY活用 試みから実践へー特別支援教育を中心にー」(詳細は2ページをご覧ください)です。

WHOのICFの考え方は、発達障害の支援の基本的理念として不可欠のものと私は考えています。しかし、教育現場で知っている方は一握りの方々で、浸透しているとは言えないのが現状です。会員の方々には、ICFの理念を理解して頂きたいという願いから、入会時には必ず関係資料をお送りし、基本的に講演会でも毎回言及し、啓発活動に力を注いできました(当法人サイトから、ICF関連のコピーフリーのリーフレットがダウンロードできるサイトにリンクしています)。えじそんくらぶの活動の基本となっている理念でもある、「環境によって障害にも個性にもなる」「障害名・診断名が重要ではなく、実生活での本人の参加と活動レベルが重要」これを説明することができるICFをWHOが作成しているということは、大変勇気付けられることです。中央教育審議会で議論されている学習指導要領にも、何らかの形で入れていただけると、学校教育が変わるのではないかと思います。興味のある方は、このICFの本を是非ご一読ください。

もう一冊は「おっちょこちょいにつけるクスリ」です。えじそんくらぶの会員さんの想いの結晶ともいえる本が、やっと完成しました! この本は、手記はもちろん、イラストもえじそんくらぶの仲間で作り上げた、「一人でも多くの人に伝えたい!」という熱い願いが十分に込められています。

人は、あまりにも強い衝撃を受けると、それを忘れようとしたり、心を閉ざすことがあります。そしてそれに耐えられずに、心と体のバランスを崩してしまうこともあります。しかし、時間を経て、その辛い想いを受け止めてくれる仲間や専門家に出会ったとき、ゆっくりとその傷ついた心を開放し、秘めた想いを語りだすことができるようになります。その意味では、ここに書いてくれた人たちは、自らの心を手記という形で解放することができた人たちといえます。

一方で、今もまだ一人で悩み、子どもを責め、自分を責め、辛い日々を送っている親御さんがいるかと思うと、心が痛みます。

人生は、辛い出来事もたくさんあります。でもそれは決して悪いことばかりではないと思います。今までこうでなければいけないと信じていた価値観が揺るぎ、本当の自分を知るいい機会となり、新しい人生のスタートとなるかもしれません。読者の方に、そんなことを感じてもらえたら、企画者としてうれしい限りです。

この本では、「日本式セフルエスティームの高め方」というトピックを入れました。ずっとセフルエスティームについて考察してきましたが、究極の高め方は、「不完全な自分を好きになること」だと思います。

完璧な人はこの世には誰一人いません。でもすべての人は、「その人特有の輝き」を持っています。みんながその輝きを、存分に生かせる社会になるといいなと思います。そのきっかけになるよう、この本が少しでも貢献できたら、私たちの最高の幸せです。これからも、できることを少しずつ、みんなでやっていく、そんな「えじそんくらぶ」であり続けたいと思います。

この本には、家族を含めた当事者ならではの、学術的な専門書にはなかなか書かれていない実生活での苦しみが、ダイレクトに表現されています。ですから、この本の内容が、当事者やその家族たちのひとりよがりの主張になって伝わっていないか、ちょっぴり不安もあります。是非、皆様の忌憚のないご意見をいただきたいと思っています。

この本を作成するに当たり、私の想いを十分に引き出し、整理してくれた小林留美さん、「『高山さんが出した提案はどんなことでも反対しない』ここからスタートしたい!」と、私の自由な発想(わがまま!?)を受け止めてくれた、ぶどう社の市毛研一郎さん。えじそんくらぶと私の特性をよくご存知の方なら、このお二人の存在がいかに重要か、そしてどれほど大変だったか、想像は容易だと思います。他にも、この約10年間、えじそんくらぶと高山恵子をサポートしてくださった、そして今も支援してくださるすべての方々をこの本で紹介することができないのが、本当に残念です。この場をお借りして、心から感謝の意をお伝えしたいと思います。本当にありがとうございました。               (高山恵子)

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