会報(ニュースレター)一覧

カラフルライフ Vol.33 (2007年8月号)

目次
  • 田中康雄先生のドクターのつぶやき
  • 品川裕香さんの子ども支援最前線『特別支援教育はすべての子どもに通じる教育になる』
  • 視察旅行の内緒話(ズレちゃんの今日も元気 拡大版 )
  • るるこのまーいっか・・・・
  • 医療の中でできる支援
  • 情報雑感など
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ぶどう社から8月出版予定の本のあとがきを書くにあたり、えじそんくらぶ設立から現在まで、激動の10年を振り返っています。本当に多くの方の支援のおかげで現在のえじそんくらぶがあるのだと痛感し、涙が出てきそうです。アメリカ留学中、初めて田中康雄先生の名前を聞いた時、どんな人なんだろうと思いました。「ブレーキをかけよう」という本が良い本であり、日本語に訳したいと思ったということは、私と価値観が同じ人、「子どもの思いを大切にする支援が重要」と思っている人だと感じました。どんな仕事をしている方か会ったこともないけれど、そのたった一つの事実だけで、「この先生はきっと、当事者の思いや家族の辛さがわかるいいドクターだ」という確信がありました。

この本の良さを私より先に、それも日本にいて見つけた人ということで、きっとADHDの最先端の情報を持っている人ということも推測されました。「私が最初に日本に紹介したい!」という一番になりたい病は成人になっても強く、実は一番でなかったことにすごくがっかりしたことも記憶しています。

今となっては、何を話したかも忘れてしまいましたが、田中先生に初めて電話をかけた時、国際電話で1時間!ずっとしゃべっていたようです。日本語で ADHDに関して詳しく話せる人が、この世にいるとわかったことがとてもうれしかったのです。(田中先生には、「声が大きくて受話器を耳から離して聞いていた」と後から言われました。それくらい興奮してたんですね。) そして、日本でADHDに関する情報は殆どないことがわかり、私がアメリカで収集した情報を待ち望んでいる関係者がたくさんいることを知りました。もう、いろいろな企画があふれ出し、えじそんくらぶ設立の作業に熱中していました(その後、田中先生も相当なハイパーな方と判明、「類は友を呼ぶ」ということだったようです)。

その国際電話の後、田中康雄先生が、まったく実績のないえじそんくらぶの会報誌の準備号の寄稿文の最後にこんな言葉を添えてくださいました:「えじそんくらぶという組織ができました。われわれ医療・療育・教育専門家だけでなく、親や子どもたちにとって、とてもたよりになると期待しております。是非、息長く頑張ってほしいと思います。私も出来る限り協力したいと思います。」

田中先生もよく、無名の怪しげな、えじそんくらぶと高山恵子にエールを送って下さいました。すでに北海道の緑ヶ丘病院に田中康雄ありと、全国で言われていたドクターのこの文がなかったらだれもえじそんくらぶには入会者がいなかったでしょう。

しかし、帰国後の講演会の準備が、川崎を中心とした多くの人の手で着々と進められていたのにのかかわらず、肝心の卒業の単位に必要なレポートが終わっていませんでした。引越しの荷物もまとめられず、本当に帰国できるのか情けなく思う毎日だっとことを鮮明に思い出しました。二人の理事なしには、えじそんくらぶもここまで大きくなれなかったと、この約10年を振り返る作業の中、私はいいカリスマティックアダルトに大学時代に会えてラッキーだったと再認識しました。

この10年間で私が学んだものは、「セルフエスティームは生まれつきの特性や能力の高さと比例しない、障害があっても高くなる:うまくいかないとき、支えてくれる人がいれば、不完全な自分を好きになれる」ということです。私はアメリカのスクールナースが言った言葉が今でも忘れられません。

「薬は問題行動の一部を改善するけど、傷ついた心を癒すことはできないのよ。」おっちょこちょいに一番効果があるのは、薬ではなく、「支えてくれる仲間・そして見守ってくれる人生の先輩」なのです。えじそんくらぶと私をサポートしてくださった、そしていまも支援してくださるすべての方にこの場をお借りして、心から感謝します。

完璧な人はこの世には誰一人いません。でもすべて人は、「その人特有の輝き」を持っています。みんながその輝きを存分に生かせる社会になるといいなと思います。そのきっかけにこの本が少しでも貢献できたら、私の最高の幸せです。これからも自分の得意なことを生かして、できることを少しずつ、みんなでやっていく、そんな「えじそんくらぶ」であり続けたいと思います。何かはじめてやることにはADHDのよさは発揮されますが、継続が苦手な集団です。今後とも皆様のご支援よろしくお願いします。例によって、この本を企画している時に次の本の企画も出来てきました。更にヴァージョンアップした第2弾「本人の想い編」でもいろいろご紹介したいと思います。ご期待ください。(高山恵子)

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