えじそんくらぶの活動報告
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ペースをあわせる
「CPT」というテストをご存じですか?
これは、AD/HDの診断時やスクリーニングとして使われる、集中力や正確な判断、反応速度などを測定するものです。その中で「TOVA」と呼ばれるテストは、図のように、パソコン上で画面の①の位置に「□」が出てきたらスイッチを押し、②の位置に出てきたら押さないという検査です。(下記図参照)
「□」が画面に出てくるスピードは一定ではなく、早かったりゆっくりだったりします。私がやった時には、速度が遅いとイライラしてやる気がなくなり、ミスが多くなりました。反対に速度が速くなると、さらにあおられる感じで衝動性が増し、早く押しすぎてエラーになったりしました。リタリンを服用して再度やってみると、不思議と「□」が出てくるスピードが変化しても、私のボタンを押すスピード(反応時間)は、ほぼ一定になりました。ペースをパソコンにあわせることが可能になったことに驚くとともに、逆にいつも自分以外のもののペースにあわせるのがいかに難しく、苦手でできていないのか痛感しました。
このことは、対人関係や仕事の進め方、団体行動も同じだと痛切に感じます。AD/HDなどがあると、話し方を相手のペースにあわせることなく自分のペースで進め、一方的に話したりすることがあるようです。
コーチングを通じて「相手にペースをあわせる」という「ペーシング」の重要性を再確認しました。衝動的に一人で話を進めてしまい、後になって周囲がびっくりということや、間がなく立て続けに質問して相手に嫌われてしまうということも、過去によくあった失敗ですが、これも相手のぺースを無視して自分のペースを相手に押しつけているのだと反省しました。
衝動性とはまさに、ペースを相手にあわせられない状態です。ペースがあわないと、コミュニケーションはうまく機能しないことが多いようです。ペースをあわせることが、信頼関係を深める第一歩と言えるでしょう。
一字一句確認しながらというような地道な作業が続く場合、私のペースがあわないことが多いのですが、はやる気持ちをペースダウンして「相手にまずはあわせる」トレーニングをすべく、日々努力しています。相手にあわせるためには、まず自分のペースを自覚し、さらに相手を観察して相手のペースを知ることが大切です。心理学的には、はじめに一度相手にあわせることができると、ペースアップ・ペースダウンを途中から誘導することも可能と言われています。
朝、忙しい時に、スローペースのお子さんにまずはあわせてみて、徐々にペースアップしていく方が、はじめから「早く早く!」と急かせるよりうまくいくということです。さて、理論通りにうまくいくかどうか、まずはお子さんやパートナーとの会話で試してみてはいかがでしょうか。マイペースではなく、相手のペースにあわせることの大切さと難しさを、きっと感じることでしょう。
マイペースと言えば、PDD系の方は、一人一人にその方独自の「こだわり」があり、今時の言葉で言えば、「マイペース」「マイルール」「マイブーム」といえるでしょう。その視点を周囲が尊重し、今時の感覚で理解することができれば、強いこだわりなどがある方もとても落ちついていろいろなことができるようになり、良い関係が作りやすくなります。しかし、「マイルール」「マイブーム」を否定されると、強い不安や不快感に圧倒され、さらに「マイルール」「マイブーム」が増えてしまい、自分のペースを乱したくないという思いが強くなるのかもしれませんね。
「自分が大切」だと思っていることを人から非難されたりけなされたりすると、落ち込んで気分が悪くなり、けなした人を嫌いになることは、誰にでもあることだと思います。
最近、巷では「冬ソナがマイブーム」という方が増加中だそうですが、一方でそれを冷ややかな目で見る人もいます。相手の「好み」を理解し合わせることは、支援の第一歩と言うよりは、基本的なコミュニケーションの一つだと言えます。ペースもルールも好みもそれぞれ異なる人々が、この社会を構成しています。やはり、自己理解→他者理解→協調というプロセスが大切ですね。 (高山恵子)
目次
- ドクターのつぶやき
大学生活3ヶ月 - Dearずれちゃん
中学校進学に向けて - カラフルキッズ
おすすめ絵本の紹介「せかいのひとびと」 - 大学院生活をしてみれば
大学生の視点から - 子ども支援最前線
品川裕香さんが取材した特別支援教育の現場の様子 - 「生き辛さ」から見えてくるもの ~できること・できないこと~AD/HDやアスペルガーのある成人を支援しているカウンセラーの方に、アスペルガー傾向があるというご自身の体験談を交えたお話をしていただきます
- とんとこの風景⑬
両親への告知 - コーチング感想
- 文部科学省宛要望書