えじそんくらぶの活動報告
会報(ニュースレター)一覧
2年ぶりのCHADDカンファレンス
2年ぶりにCHADDに参加しました。この2年間で大きく変わったと感じられたことがいくつかありました。まず、アメリカの景気の悪化は、教育費、特に AD/HDのある子への支援などSpecial educationの質に、大きな影響を与えていると痛感しました。参加者の話を聞くと、サービスの地域格差がひらく一方だと言います。そんな中で基調講演では、システムではなく、人の考え方・接し方が大切と強調していました。
薬の開発は、めざましいものがあり、中枢神経興奮薬以外の薬や、メチルフェニデートのカプセルの徐放剤、カプセルを取り除いて食べ物にふりかけて服用できる徐放剤までありました。その選択肢の広さに圧倒され、日本での保険適応薬の必要性を感じました。もちろんいつも言及しているように、薬物治療だけでは不十分であり、しっかりしたサポート体制のある場合は、薬物が不要なケースもあり、その判断は重要です。
今回は、CHADDの中心メンバーの方々や、ヨーロッパ・アジアの専門家や支援団体の方々とも意見交換をする機会があり、大いに触発されてきました。久留米大学の山下裕史朗先生が、インターナショナルフォーラムで日本の実情を発表なさり、私も1~2分スピーチをする機会に恵まれました。
CHADD のカンファレンスでの発表も、興味深いものが数多くありました。コーチング・ブラウン博士の6つの実行機能・ADDとADHDの支援の違い・女性の AD/HD・気分障害特に躁鬱とAD/HDの鑑別の難しさなど、アスペルガーとの比較の他に、トピックは広がっていました。
CHADD会員の約80%が、アメリカの地方のCHADDの会には参加していないそうです。15年目に入るCHADDの活動の中で、年1回のアメリカ各地で実施されるカンファレンスと会報誌、国内でのロビー活動、啓発活動は、NPOえじそんくらぶの運営にも参考になることが多くありました。しかし、これだけ専門家が多く、豊富な情報があるアメリカでも、孤立している当事者・悩んでいる親・そして無関心な人々がまだまだいるという事実は、大きなショックでした。大切なのは、システムや物・資金ではなく、「人間」なのだと痛感しています。やはり、草の根的に理解者を一人また一人と増やしていく、これが一番強力な啓発活動なのでしょう。「ブレーキをかけよう」の著者をはじめ、講演者の多くが、自分もAD/HDを持っていることを、CHADDでカミングアウトしており、大いに勇気づけられます。東大の榊原先生にも「高山さんは、自分のAD/HD体験をもっと積極的に話すべきだ」と言われ、吹っ切れました。来年からの、CHADDの最新情報と生の体験談を交えた、パワーアップした講演にご期待ください!
と、偉そうなことを書いてきましたが、私にはCHADDインターナショナルメンバーの、日本のAD/HD支援団体の代表という顔の他に、AD/HD当事者という一面もあります。ノルウェーでえじそんくらぶと同じような活動をしている団体の代表とのホテルのロビーでの会話は、同じ「辛さ・困難さ」を持っている者どおし共感できるもので、涙が出るくらい「同じ文化の共有」が実感できました。
言語を越えて、慣習を越えて、文化を越えて、悩みが共通という独特の一体感は、味わった人だけにしか感じられないものなのかもしれません。
目次
- ドクターのつぶやき
胎児性アルコール症候群の事例から先を歩く大人の「責任」の取り方を考える - 大学院生のエッセー
療育の現場で思うこと - カラフルキッズ
折り染め - 教師は授業で勝負する!
子どもたちが楽しめる授業を!「アクロスティックで自己紹介」 - 品川裕香さんのアメリカ便り
高山とともにCHADDをはじめいろいろなセミナーに参加したフリーライターの品川さんが感じたアメリカの今を伝えてくれます - Dear ずれちゃん
CHADDに参加して 前回の内容について読者方の質問に答えます。 - ズレちゃん今日も元気
講演情報 アメリカ編です - とんとこの風景⑨
検査結果が出て治療開始、でも課題はまだまだ・・・