会報(ニュースレター)一覧

カラフルライフVol.51(2010年8月号)

目次
  • 田中康雄先生のドクターのつぶやき 
  • 品川裕香さんの子ども支援最前線 
  • ふれあい囲碁体験記
  • 点滴?みたいなQ&A
  • るるこのまーいっか・・
  • 子育てVOICE
  • ズレちゃんの今日も元気 
  • えじそんママのHappy子育て 
  • エンジョイ☆ADHD 
「ふれあい囲碁7」試作品完成!~バリアフリーは遊びから~

  皆さん、「ふれあい囲碁」をご存じですか?「ふれあい囲碁」は従来の囲碁を簡単にしたもので、9路盤で小さく、一つでも左右上下を囲まれると負けというシンプルなものです。将棋のように種類の違う駒の動きを記憶する必要もないので、2歳の子でも認知症の方も楽しめます(ただし、幼児などコマを飲み込む可能性のある場合は、保護者が同席するなどの注意が必要です)。文部科学省のHPにも紹介されており、アスペエルデの会の辻井先生も推奨し、多方面で注目され始めています。全国でいろいろな方とバリアフリー体験として実施されることも多いようで、その数々のエピソードは「命を救うふれあい囲碁」NHK出版に掲載されています。

 3月にえじそんくらぶの会員の方から、ふれあい囲碁を紹介されました。私も実際にやってみましたが、発達障害のある人たちにとてもいいゲームだと思いました。しかし、「ADHDの子は集中力がないから、長時間囲碁はできないかな~」と話していたら、ふれあい囲碁の考案者である安田泰敏九段が「じゃあ、7路盤にすればいい。」と一言。こうして、7路盤「ふれあい囲碁7」を安田九段の監修の下、えじそんくらぶで作ることになったのです。いくつかの工夫し、より楽しくなる改良を加えました。最初は従来の白黒の碁石の改良です。オレンジの花形とグリーンの4つ葉のクローバー形の立体にし、目で見て華やかにそして手で触っただけで区別が付く工夫をしました。また碁盤にあたる盤をマウスパットによくあるしっかりした柔らかい素材で作成し、草原のイメージでグリーンベースにしました。最近、内閣府や厚生労働省の会議に視覚障害者ある方と参加して一緒に議論するという機会があったこともあり、視覚障害者の方とも一緒にできるような工夫でした。

 あっという間に、「ふれあい囲碁7」の基本形が6月に完成。まさにひらめきと衝動性といろいろな人たちの協力の結集といえます。そこにもう一人、ADHDの私を上回る、行動力のある人物が登場し、なんと中国でこのふれあい囲碁7を製作する段取りをほぼ1週間でつけてくださいました。その人物とは、えじそんくらぶの理事、川崎のご主人です。
 相乗効果というのでしょうか?行動力の2乗といいましょうか、「中国で作れますか?」と質問をしてから、2週間後には中国で作成の段取り調整が行なわれ、1ヵ月後には北京で試作品を元に中国の方たちと会議を行うという猛スピードで話が進みました。その間、ひらめきは止まることがなく、「コマに無害の飲み防止コーティングをしよう」「点字の解説を入れ、点字でふれあい囲碁7とすべての盤に入れよう」「従来の囲碁のイメージを変えるキュートなデザインにして手張りの箱にしよう」などなど…。ふれあい囲碁の考案者安田九段とその関連団体であるNPO法人ふれあい囲碁ネットワーク神奈川のスタッフとメールや電話で何回も相談を重ねました。

 さらに、この小さなゲーム板から、はさみ将棋や4目並べなどの遊びをする子供達も現れました。ふれあい囲碁もはさみ将棋もルールはシンプルですが、奥が深く、空間認知や先を読む力、全体を見る力、相手のペースに合わせる力などがつきます。古典的な日本の遊びは総合的に考える力を育み創造性が広がるすばらしい物だと改めて感心しました。

 6月17日にはえじそんくらぶでは初めての開催になる「ふれあい囲碁」のイベントを東京で実施しました。当日は、ふれあい囲碁ネットワーク神奈川のスタッフ、えじそんくらぶの関係者や学生さん、J&Jグループのボランティア月間ということで、社員の方が6人とベルギー人の社長さん、スウエーデン人の方も参加し、大変楽しい時間を共有しました。この時点では、まだ中国で生産中の「ふれあい囲碁7」は完成していませんので、「簡易版ふれあい囲碁7」のセットを考案し、みんなで実際にやってみました。これはこれで好評で、すぐ自宅でやりたい!という人たちが多く、会場で完売しました。
 このふれあい囲碁の会に、青年が3人参加しました。彼らはADHDと診断され、今までに3人3様、ご家族ともども辛い体験もたくさんしていました。しかし、ある青年は父親に3連勝して、ある青年は初戦のべルギー人の社長さんに圧勝し、またある青年は全勝。3人は全員、たった2時間の体験で、セルフエスティームを高めて帰宅しました。ちょっとした出来事でも人はいくらでも変わることが出来ます。大切なのは変わりたいと思う気持ち、少し不安でも思い切って新しいことにトライする気持ちなのだと思います。
 あなたにも「ふれあい囲碁7」を通じて、素敵な出会いがあるといいですね。(詳しい情報はえじそんくらぶのHPをご覧下さい)
AERA KIDS 10月号(9月18日発売)にも紹介されます。
(高山恵子)

「ふれあい囲碁7」の詳細、ご注文については、こちらのページをご参照ください。

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